第2回 京王電化工業の紹介~製造編その1~

ご覧いただきありがとうございます。京王電化工業技術部のHです。

今回から弊社で行っているめっき製造技術について紹介していこうと思います。

さて、めっきの手法は湿式めっき乾式めっきの二つに大きく分けられ、弊社では湿式めっきによるめっき製造を行っています。

湿式めっきはめっき金属の溶け込んだ薬液に品物を浸漬し、電気や化学反応を利用してめっきする手法で、ウェットプロセスとも呼ばれます。

反応方法によって、湿式めっきはさらに電気めっき無電解めっきに分けられます。

♢電気めっき

湿式めっきの中でも主流の方法で、外部から品物と薬液に電気を流し、そのエネルギーで品物の表面で金属の還元反応を起こし、金属皮膜を析出させる方法となります。

通電量やめっき時間を変えることでめっき膜厚のコントロールが容易にできるという利点があり、大量生産を安価に行うことができます。(詳しくはラックめっきとバレルめっきの回で説明させていただきます)

反面、電気を流す以上、めっきできる品物は金属などの導電性を持つものに限られ、また品物の形状や大きさ、液中での位置などによって流れる電気量にばらつきが出てしまうので、それがそのまま膜厚のばらつきとして顕われてしまうという欠点があります。

弊社では主に亜鉛・ニッケル・銅・錫・金・銀のめっきを取り扱っております。

♢無電解めっき

電気を使わず、薬液と浸漬した品物の表面で起こる化学反応によってめっきを行う方法です。

品物の大きさや形状に関わらず、全体に均一な膜厚でめっきできる他、樹脂・ガラスのような通電性の無い素材で作られた品物でも、表面に適切な処理を行えばめっきすることができるようになるという利点があります。

反面、薬液の濃度・温度・pHを電気めっきと比べてより厳密に管理せねばならず、常に薬液を補充する必要もあり、全体的にコストが高くなりがちという欠点があります。

弊社では無電解ニッケルめっきを取り扱っております。