第3回 京王電化工業の紹介~技術部編~
新年あけましておめでとうございます。
ご覧いただきありがとうございます。京王電化工業技術部のHです。
2023年も京王電化工業をよろしくお願い申し上げます。
さて、今回は弊社技術部について簡単に紹介します。
弊社技術部はお客様、そして時代のニーズに応えられるよう技術開発を行っています。
自動車部品などで多く使われる亜鉛めっきの耐食性を向上させるのに必須のクロメート処理。めっき業界では長らく生体への毒性が強い六価クロムが使われ続けていましたが、RoHS指令・ELV指令に代表されるように、環境規制物質の管理要請が厳格化していったことで、早急な代替品が求められていました。
そこで弊社は他社に先駆け、六価クロムを使用しない三価クロムを用いた三価オリーブクロメートを独自に開発しました
これは六価オリーブクロメートと同等以上の耐食性を持ち、また、三価黒色クロメートと比しても3倍以上の耐食性を誇ります。
開発当時、世界初であった弊社の三価クロムバレルめっきも、携帯電話アンテナ部品の大量生産のニーズ、そして環境規制物質低減の要請に応えるべく開発された技術です。
これら毒性の低い物質を使用しても規制物質と同等以上の機能性を実現できる環境対応型表面処理技術の確立へ積極的に取り組み、実績を挙げたことで弊社は多摩ブルー賞技術・製品部門で優秀賞をいただきました。
近年、弊社では反応性の高さからめっきが極めて難しいマグネシウム合金素材(AZ31B、AZ31TMP、AZ91D、Z91D)への安定しためっき技術及び量産技術も確立しました。
これも世界的に軽量化技術が注目され、構造材や部品を軽量素材へ代替えしたいというお客様と時代のニーズと向き合って開発したものです。
直近では、開発テーマの一つとしてスーパーエンジニアリングプラスチックの一種・ポリフェニレンサルファイド(PPS)へのめっきプロセスの確立に取り組んでいます。
極めて優れた機械的性質と耐食・耐薬・耐熱性から、軽量化素材として注目を集めるPPSですが、その耐薬性の高さゆえに従来の樹脂めっきプロセスでは極めてめっきが難しいとされてきました。
弊社ではGF40%のPPS樹脂製部品へのめっきプロセスの確立に成功。PPS製の部品や筐体にめっき金属由来の様々な表面特性を持たせることが可能となりました。現在、他の樹脂の仕様でもめっきできるよう研究を進めています。
今後、他の開発テーマも含めて、それぞれの開発事例についてより詳細に紹介させていただきます。